OUR ART IN
OUR TIME

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  • MOTアニュアル2020 透明な力たち

  • 東京都現代美術館

  • 2020.11.14 - 2021.2.14

若手作家の作品を中心に、現代美術の一側面を切り取り、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展、MOTアニュアル。第16回目となる今回は、人や物を動かしている自然界や社会の中の不可視の力の作用に着目し、そのメカニズムを再構築しようと試みるアーティスト5組が紹介される。

展示はインスタレーション、立体作品、平面作品、映像、プロジェクト資料などの内容になる。

片岡純也《回る電球 #4 霰》2019年

岩竹理恵《内包される風景#表情筋》2018年

私たちの身の周りには目に見えない数多の力が働き、複雑な世界の様相を作り出している。例えば、物の動きに直接影響を与える重力や磁力や摩擦、生き物の性質や行動に作用するDNA等にその力が認められるだろう。また、私たちの社会を動かし形作る諸システムやルール、そしてその背景にある人々の思考、意識、感情、固定概念も不可視の力と呼べるかも知れない。

 

 

清水陽子《バイオスピーカー》2017年

中島佑太《あっちがわとこっちがわをつくる(旅行に行くならイタリアか北海道か)》2015年
撮影:加藤甫

研究や業務の上での専門性が細分化した今日、世界を取り巻く仕組みをひとりひとりが認識し、頭にいれておくことは不可能に近いといえる。情報化社会が進むと同時に見えにくくなる、あるいは隠される仕組みも増えている。

情報を反射神経的に認識・処理するようなスピード感が求められ、そこにどのような力が働いているか、意識されることは多くない。

 

 

本展では、物ごとを動かし変化させるメカニズムを咀嚼しなおし、自分の手で、あるいは誰かと協働して、再構築する作家とともに、私たちを取り巻く透明な力について考察する。

 

繊細な手作業のコラージュ作品から生物工学を取り入れたバイオアート、プロトコルを考察するソフトウェアアートまで、多彩な表現を用いて複雑な世界の様相を切り取られる。自然現象や社会現象への好奇心を刺激する作品や新しい生活のあり方を考察する作品たちに出会った後は、自分のいる社会のことや時代のこと、世界のことがもっと知りたくなるかも知れない。

 

Goh Uozumi《空の国家—State of Empty》2016年
「Media Conscious」展 NTT InterCommunication Center [ICC]

久保ガエタン「記憶の遠近法」展示風景 2016年
撮影:木奥惠三

彼らの試みは、ときにミクロコスモス的な箱庭や実験室を連想させ、現実とは離れた系の中でものごとが自律的に動いているように見える。しかしそれは私たちの立っている「あたりまえ」の地盤に視線を向けさせ、いくつもの要因が複雑に重なり動いている世界の様子をそれぞれの角度から垣間見せてくれるものだ。これらのユニークな実践の中で、可視化された透明な力が各々の感覚を揺さぶり、見慣れた風景を再考するためのささやかな契機となるかもしれない。

 

出展作家
片岡純也+岩竹理恵、清水陽子、中島佑太、Goh Uozumi、久保ガエタン

 

※画像はすべて参考図版です。

【information】
展覧会名
:MOTアニュアル2020 透明な力たち
会期
:2020 年 11 月 14 日(土)- 2021 年 2 月 14 日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F
休館日:月曜日(11 月 23 日、2021 年 1 月 11 日は開館)、
11 月 24 日、12 月 28 日-2021 年 1 月 1 日、1 月 12 日
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の 30 分前まで)
観覧料:一般 1,300 円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 900 円 / 中高生 500 円 / 小学生以下無料
URLhttps://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-annual-2020/

※開催内容は都合により変更になる場合がございます。詳細は美術館ウェブサイトをご確認ください。

 

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