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  • 劉建華(リュウ・ジェンホァ) 中空を注ぐ

  • 十和田市現代美術館

  • 2023.6.24 - 2023.11.19

十和田市現代美術館では、上海を拠点に活動している 劉建華(リュウ・ジェンホァ)の個展を日本で初めて開催する。
磁器発祥の地である景徳鎮で育った劉は、磁器工房での職人時代を経て彫刻を学んだ中国における経済や社会の変化や、それに伴う問題をテーマに、土や石、ガラス、陶磁器などを使って立体作品やインスタレーションを制作している。

《Blank Paper》 2008年-2019年、磁器
200×120×0.7cm
©︎ Liujianhua Studio

《Porcelain Tower》2021年-2022年
磁器・木・石英砂 、サイズ可変
©︎Liujianhua Studio

本展ではメインとなる展示室に、ペットボトルや靴などの日用品を磁器で制作した《Discard》(2001年-2015年)を展示する。私たちが使う日用品の大半は一時の役目を果たすと放置され、壊れてゴミになる。この作品は、私たちが土に還らない素材に囲まれて生活していることや、処分できないものを蓄積し続けている現状を想像させる。

その他にも、瓶や壺の口と首の部分だけを切り取った最新作《Porcelain Tower》(2021年-2022年)や、当館の常設作品《Mark in the Space》(2010年)の造形ともつながる浮遊する枕《Regular/Fragile》(2001-2003年)、壁につたう墨汁や陶器の仕上げに使う流動的な釉薬を思わせる《Trace》(2011年)など、劉の初期から近年までの作品を紹介する。

《Mark in the Space》2010年、FRP
240×125×50 cm 撮影:小山田邦哉
©︎ Liujianhua Studio

展覧会のタイトル「中空を注ぐ」は、中が空洞の陶磁器の形や流動的な釉薬を連想させるが、意味も内容もない「無意味さ」を作品に込めた劉の制作への姿勢を示している。そして、空虚な「もの」や「こと」が広がっていく現代のありさまともつながっている。
繊細で脆い陶磁器が、空虚さに満ちた現代を語っていく。

劉建華(リュウ・ジェンホァ)

【information】
展覧会名:劉建華(リュウ・ジェンホァ) 中空を注ぐ
会場:十和田市現代美術館
住所:〒034-0082 青森県十和田市西二番町10-9
会期:2023年6月24日(土)‒11月19日(日)
開館時間:9:00-17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)
※その他の休館日、臨時開館日などの情報は web サイトにてご確認ください。
料金:一般 1800円(常設展含む) 高校生以下無料
URL:https://towadaartcenter.com/

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