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12
2024
EXHIBITION
INFO
テオ・ヤンセン展
熊本市現代美術館
2021.7.03 - 2021.9.12
熊本市現代美術館では、「テオ・ヤンセン展」を開催する。
風を動力源としてオランダの砂浜を疾駆する「ストランド(砂浜)ビースト(生命体)」。ボディ全体は黄色いプラスチックチューブで造形され、物理工学を基盤としたその動きは生き物を思わせるほどに滑らかで有機的だ。
テオ・ヤンセン《アニマリス・ムルス》2017年 ©Theo Jansen
それらはオランダのアーティスト、テオ・ヤンセン(1948-)によって故国の海面上昇問題を解決するために生み出された。作者亡き後も自立して砂浜で生き延びることを目指し、ストランドビーストは歩行、方向転換、危険察知などの機能を備え、さまざまな環境に適応していくためのシステムを獲得していく。
テオ・ヤンセン《アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ》2013年 ©Theo Jansen
テオ・ヤンセン《アニマリス・ぺルシピエーレ・プリムス》2006年 ©Theo Jansen
生と死を繰り返し、遺伝子と遺伝情報を受け継ぎながら進化し続けてきた生命体は、芸術と科学という既存のカテゴリーを横断し、新たな可能性を私たちに提示している。
本展では全長10mを超えるストランドビーストを含む10作品以上を紹介。実際に動く様子も体感できる。
テオ・ヤンセン アイデアスケッチ ©Theo Jansen
それぞれのストランドビーストには「アニマリス」(英語で動物を意味するanimalとラテン語で海を意味するmareの組み合わせ)というヤンセンの造語から始まる名前がついている。
進化するビーストはその構造や機能によって分類され、それをもとに時代名がつけられている。
本展では、全長10mを超えるストランドビーストを含む10作品以上を展示するほか、自筆のスケッチやビーストのパーツ、制作に使われた PCや試作品等、ストランドビースト誕生から進化の過程までを俯瞰することができる。
テオ・ヤンセン《アニマリス・アデュラリ》2012年 ©Theo Jansen
テオ・ヤンセン《アニマリス・ペルシビエーレ・エクセルサス》2006年 ©Theo Jansen
テオ・ヤンセン《アニマリス・アデュラリ》2012年 ©Theo Jansen
テオ・ヤンセン《アニマリス・ウミナミ》2017年 ©Theo Jansen
ホーリーナンバー(聖なる数)*の脚を持たない、 前に進む風力を得たキャタピラ型。
*ホーリーナンバー
ストランドビーストの生き物のような動きの秘密は脚にある。その脚はホーリーナンバー(聖なる数)と名付けられた、一定の比で構成される。ヤンセンはこの数字にたどり着くまでに 1,500以上の組み合わせをコンピュータ上でシミュレーションし、数ヶ月かけて理想的な動きを生み出した。ホーリーナンバーで構成された脚は滞空時間が長く、それによって生物らしい動きを実現している。
テオ・ヤンセン《アニマリス・リジデ・プロペランス》1995年 ©Theo Jansen
テオ・ヤンセン ©Theo Jansen
テオ・ヤンセン
1948年、スフェベニンゲン(オランダ)に生まれる。デルフト工科大学で物理学を専攻し、1975年に画家に転向。1986年から新聞のコラムを執筆し、その中の一記事「砂浜の放浪者」をきっかけに「ストランドビースト」 を生み出す。1990年、風の力で動く「ストランドビースト」の制作を開始。 アートと科学を融合したその作品から「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」 とも称される。
【information】
展覧会名:テオ・ヤンセン展
会 期:2021年7月3日(土)―9月12日(日)(62日間) ・火曜日休館
時 間:10:00~20:00(ただし展覧会入場は 19:30 まで)
会 場:熊本市現代美術館 ギャラリーI・II
観覧料:一般 1,300円/シニア(65歳以上)1,000円/学生(高校生以上)800円/中学生以下 無料
※各種割引あり。HPでご確認下さい。
7月22日 (木・祝) 以降の土日祝日、お盆期間 (8月13日~15日) で10:00~17:00に入場を希望される方は、事前予約が必要です。