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  • 国立工芸館石川移転開館記念展Ⅰ|工の芸術― 素材・わざ・風土

  • 国立工芸館

  • 2020.10.25 - 2021.1.11

東京国立近代美術館工芸館は、通称・国立工芸館として 2020年10月25日、石川県金沢市に移転開館した。

 

移転開館の第一幕を飾る本展では、「素材・わざ・風土」に着目し、 近代日本工芸の名作約130点が展示される。

 

 

松田権六《蒔絵螺鈿有職文筥》(部分)1960 年
東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

近年、それぞれの地方が培ってきた「風土」を新たに捉え直す動きが注目されている。日本の工芸品は、古くから花鳥風月など四季折々の自然の姿を意匠に取り入れてきたと同時に、それ自体が自然の素材から出来ているという特色を持つ。

 

それぞれの土地で生まれた素材に人が手を加え、生活のなかで息づいてきた工芸は、日本全国一様ではなく、実 に多くの多様性をもって発展してきた。日本の近代化のなかで工芸家たちがどのように「素材―自然」と向き合ってきたか、また時代と共に「自然のイメージ」をどのように捉え直してきたか、あるいはどのように土地と「もの」の関係を紡いできたかを探り、常に更新されていく日本の「風土」を紹介する。

飯塚琅(かん)齋《花籃 あんこう》1957年 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

第一章 素材とわざの因数分解

 

加守田章二《曲線彫文壺》1970年 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

富本憲吉《色絵染付菱小格子文長手箱》1941年 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

工芸作品の名前はたいへん長くて、 ややこしい。漢字だらけで、どこで意味を切ったらいいのか分からない。

今回はあえて、そんなとっつきにくい工芸作品の 「名前」に着目する。工芸作品は、「素材」と「わざ」の掛け合わせ。タイトルの長さは、自然から取り出してきた「素材」が「工芸作品」になるまでに、どれだけの工程が積み上げられているか、という証でもある。名づけのルールと仕組みさえ押さえれば、それらは作品に施された複数の「わざ」を発見するためのヒントになる。

第二章 「自然」のイメージを更新する

増村益城《乾漆溜塗喰籠 亀甲》1991年 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

小島有香子《積層硝子皿 月華》2013年 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

志村ふくみ《紬織着物 鈴虫》(部分)1959年 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

日本の工芸品は、古くから花鳥風月など四季折々の自然の姿を意匠に取り入れてきたと同時に、それ自体が 自然の素材から出来ているという特色を持つ。

 

「超絶技巧」の明治時代から、ハイテクノロジーの現代まで、日本の近代化のなかで工芸家たちは「自然のイメージ」をどのように捉え直してきたのだろうか。

第三章 風土―場所ともの

富本憲吉《色絵草花文角鉢》1937年 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

角偉三郎《溜漆椀》1992年 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

最後の第三章では、「場所」と「もの」と「人」の 関係を考える。

このセクションでは、 場所とものの関係を軸に配列している。 沖縄からスタートして、その土地ゆかりの人と作品を、様々な素材を横断しながら辿り、最後はここ石川の地で締めくくる。 近代日本の工芸家たちはどのように土地と 「もの」の関係を紡いできたのだろう。

左 舩木倭帆《プラントレーマー杯》 右 舩木倭帆《イチゴプラントレーマー杯》制作年不詳 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

鈴木苧紡庵(寅重郎)《越後上布 市松草花文着尺》(部分)1958年 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

松田権六《片身替塗分漆椀》1939年頃 東京国立近代美術館蔵 写真:森善之

【information】
展覧会名:国立工芸館石川移転開館記念展Ⅰ|工の芸術― 素材・わざ・風土
会期:2020年10月25日(日)-2021年1月11日(月・祝)
会場:国立工芸館
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(11月23日、1月11日は開館)、11月24日、年末年始(12月28日-2020年1月1日)、
観覧料:一般500円、 大学生300円
URL : https://www.momat.go.jp/cg/exhibition/the-first-of-the-national-crafts-museums-grand-opening-exhibitions/

来館日時指定・定員制を導入しております。詳細は(https://www.momat.go.jp/cg/)でご確認ください。

 

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