OUR ART IN
OUR TIME
12
2024
EXHIBITION
INFO
豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表
東京都現代美術館
2023.12.09 - 2024.3.10
豊嶋康子(1967-)は、1990年より30年以上にわたって、私たちを取り巻くさまざまな制度や価値観、約束事に対して「私」の視点から独自の仕方で対峙し続けてきた作家である。
物や道具の仕組み、学校教育、経済活動から日常の様々な行為まで、私たちに避けがたく内面化、自動化されてきた思考や行為の枠組みやルールを、自身の感じる違和感や関心を梃てことして独自の仕方で読み替え、捉え返すことで、人の思考の型の形成、社会と自己の成り立ちの在り様を問うてきた。
《隠蔽工作20120625》2012年 東京都現代美術館蔵 撮影:大谷一郎
【information】
展覧会名:豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F
住所:〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
会期:2023年12月9日(土)~2024年3月10日(日)
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(1月 8日、2月12日は開館)、12月28日~1月1日、1月9日、2月13日
料金:一般 1,400円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1000円 / 中高生 600円 /小学生以下無料
URL:https://www.mot-art-museum.jp/
展示室に足を踏み入れた瞬間、
『天地左右の裏表』というタイトル通り、
思いがけない光の当て方により、
見たことのない世界が目の前に広がる。
単なるパズルが思考となり、
世界を縫う。
展示されているくす玉の紐を引っ張りたい欲求を抑え、それを引っ張る豊嶋さんの動画をみながら展示室をまわる。くす玉は命の源である卵そののも。展示会終了後、作家により割られるらしい。現在進行形で作品は作られているということか。
お金に換えられることのない株取引きや、
留める役目を果たさない曲げられたピン、
無限に続く算盤、
いつかの勝ち負けを表していたオッズ板の数字、
削り落とされないままとめ置かれている彫刻刀で彫られた巻き上がる木、
歪んだ定規、
目に見えないルールや役割の輪郭を浮かび上がらせる豊嶋さんの作品は、今まさに見たかったものの一つ。普段は感じることのない、モノが背負わされている意味の質量みたいなものが、無数のルールの上に成り立っていると知る。
そこに光があたり、その輪郭を見る時、
自分が何も見ていないことに情けなさを感じるとともに、
まだみるべき世界があることに喜びを感じる。
なんだろう、テレビとかみて
悲劇的な映像にそれっぽい音楽をつけ、
それっぽい感情にさせられていくことと
対極にあるような世界。
ものを見るというのは、生半可なことじゃないんだと改めて思う。ものを見ることを意識しないと、知らないうちに腐るんだろうな。
そんなことを教えてくれる素晴らしい展示だった。
1、アートに驚こう!(事実・認知の視点で見てみよう)
・木の枠がたくさん。そろばんが展覧会会場のどこに行ってもあるのに驚いた。ある一定のルールがありそうな感じがする。
同じ種類のものがたくさん並べてある。生活で見かけるものも多い。(通帳とか、通信簿とか)
2、アーティストのことを知ろう!(作品の根っこにあるコンテクスト)
・豊嶋さんが年々制作しつつもがいてきた結果がものすごい量の作品として展示されていて、作品遍歴が知れるようでとても良かった。
枠=社会のルールの中で生きてる自分たちは流れに乗っているようで乗ってないような。
3、アートを通して自分と向き合おう!
・ルールのある社会の中でどう表現していくのか。
・社会と自分の関係性を見つめるきっかけになる。ルールの中でルールメイキングする立場になりたい。
4、気になった作品は?
最初の部屋のくるくる作品
鉛筆の作品
そろばん!
マークシート塗りつぶし作品
5、所要時間は?
90分くらい?
6、その他(ショップで購入したもの、周辺カフェ情報など)
豊嶋さんが発行された作品集が先行発売している。買おうか悩んでいる。図録は2月発売らしい。
2階のサンドイッチでミルクティーを飲みました。平日の夕方なのでそこそこ空いてました。