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12
2024
EXHIBITION
INFO
杉本博司 本歌取り 東下り
渋谷区立松濤美術館
2023.9.16 - 2023.11.12
杉本博司(1948~)は、和歌の伝統技法「本歌取り」を日本文化の本質的営みと捉え自身の作品制作に援用し、2022年に姫路市立美術館でこのコンセプトのもとに「本歌取り」展として作品を集結させた。
杉本博司《相模湾、江之浦》 2021年1月1日 ピグメント・プリント 作家蔵 ©Hiroshi Sugimoto
杉本博司 《富士山図屏風》 2023年 ピグメント・プリント 作家蔵 ©Hiroshi Sugimoto
本歌取りとは、本来、和歌の作成技法のひとつで、有名な古歌(本歌)の一部を意識的に自作に取り入れ、そのうえに新たな時代精神やオリジナリティを加味して歌を作る手法のことだ。
作者は本歌と向き合い、理解を深めたうえで、本歌取りの決まりごとの中で本歌と比肩する、あるいはそれを超える歌を作ることが求められる。
杉本博司《時間の矢》 1987 年(火焔宝珠形舎利容器残欠:鎌倉時代[13−14世紀] 海景:1980年) ミクストメディア 小田原文化財団蔵 ©Hiroshi Sugimoto
西国の姫路で始まった杉本の本歌取り展は、今回、東国である東京の地で新たな展開を迎えることから、「本歌取り 東下り」と題された。
本展を象徴する作品である《富士山図屏風》は、東国への旅中に、旅人が目にする雄大な富士山を描いた葛飾北斎の《冨嶽三十六景 凱風快晴》を本歌とした新作で、本展で初公開となる。
杉本博司《Time Exposed:地中海、ラ・シオタ》 1989年−現在 銀塩写真 作家蔵 ©Hiroshi Sugimoto
またこの他にも、書における臨書を基に、写真暗室内で印画紙の上に現像液又は定着液に浸した筆で書いた《Brush Impression》シリーズなど、本展は新作を中心に構成される一方、中国宋時代の画家である牧谿の水墨画技法を本歌とした《カリフォルニア・コンドル》など、杉本の本歌取りの代表的作品も併せて展示する。さらに、室町時代に描かれたと考えられる《法師物語絵巻》より「死に薬」を狂言「附子」の本歌と捉え、その他の8つの物語と共に一挙公開する。
杉本博司《Brush Impression いろは歌(四十七文字)》(部分) 2023年 銀塩写真 作家蔵 ©Hiroshi Sugimoto 【前期展示】
【information】
展覧会名:杉本博司 本歌取り 東下り
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:〒150-0046
東京都渋谷区松濤2-14-14
会期:2023年9月16日(土)~2023年11月12日(日)
開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
※毎週金曜日は午後8時まで(入館は午後7時30分まで)
休館日:月曜日(9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)
料金:一般1,000円(800円)、大学生800円(640円)、高校生・60歳以上500円(400円)、
小中学生100円(80円)
※( )内は団体10名以上及び渋谷区民の入館料
※毎週金曜日は渋谷区民無料
※土・日曜日、祝休日は小中学生無料
※障がい者及び付添の方1名は無料
URL:https://shoto-museum.jp/