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OUR TIME
10
2024
EXHIBITION
INFO
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ
柔らかな舞台
東京都現代美術館 企画展示室 3階
2022.11.12 - 2023.2.19
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ(1962年ロッテルダム生まれ、ベルリン在住)は、2017年ヴェネチア・ビエンナーレのオランダ館代表を務めるなど、オランダの現代美術を代表するアーティストの一人として、20年以上に渡り映像作品や映像インスタレーションを発表してきた。
彼女の映像は、他者との共同作業を通じて人々の関係を形成すると同時に、それによって形作られるものとして試行を重ね、シナリオを設定しない撮影に、キャストやクルーとして参加する人々が現れる。
撮影の場という設えられた状況で、あるテーマについて人々が対話する過程で発露する主観性や視座、関係性を捉え、鑑賞者の思考との交差を指向する。
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ《obsada/オブサダ》2021年、撮影風景
Photo by Jakub Danilewicz
今回東京都現代美術館で開催する国内初めての個展「柔らかな舞台」では、彼女の代表的な映像作品から新作まで6点を展示する。
初期作品からは、17世紀のオランダ領ブラジルで総督を務めたヨハン・マウリッツの知られざる統治をめぐり、マウリッツの手紙などを読み上げながら議論する《マウリッツ・スクリプト》(2006年)、オランダによる植民地政策にラジオがもたらした影響についての対話と、インドネシア独立運動家スワルディ・スルヤニングラットが書いた手記「私がオランダ人であったなら」を読み上げる声とが交わる《偽りなき響き》(2008年)の2作品を紹介する。
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ《マウリッツ・スクリプト》2006年、映像スチル
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ《偽りなき響き》2008年、映像スチル
《マウリッツ・スクリプト》はマウリッツの旧居でもあるマウリッツハイス美術館で、《偽りなき響き》はオランダ領東インド(現在のインドネシア)に向けたラジオ放送に使われた放送局跡地で、DJ、看護師、政治学者、ラッパー、アーティスト、ジャーナリストなどが参加する公開撮影として行われた。
このように、ある場所がもつ歴史的文脈、そして異なるバックグラウンドや専門分野を持つ人々の声は、ファン・オルデンボルフの作品において豊かな多声性をもたらす重要な要素となる。
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ《ふたつの石》2019年、映像スチル
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ《ふたつの石》2019年、映像スチル
また、この展覧会を機に国内で制作する新作は、主に1920年代から1940年代にかけて活躍した女性の文筆家たちが、女性の社会的地位や性愛、戦争といった問題に切り込んだテキストを取りあげ、それらが今日の社会のどのような側面を映し出すかを探る。
ファン・オルデンボルフは、支配的な言説やイメージからいかに逸脱しうるのかという問いを、展示空間の構成においても重ねてきた。
彼女が構成する、フレームを定めることのない舞台セットのような
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ《Hier./ヒア》2021年、映像スチル
【information】
展覧会名:ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台
会場:東京都現代美術館 企画展示室 3階
住所:〒135-0022 東京都江東区三好4丁目1−1
会期:2022年11月12日(土)― 2023年2月19日(日)
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(1月2日、1月9日は開館)、12月28日-1月1日、1月10日
料金:一般1,300 円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上900円 / 中高生500円 /小学生以下無料
URL:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/Wendelien_van_Oldenborgh/