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12
2024
EXHIBITION
INFO
立花文穂展 印象 IT’S ONLY A PAPER MOON
水戸芸術館現代美術センター
2022.7.23 - 2022.10.10
文字や紙、本を素材・テーマに作品を制作してきたアーティスト、立花文穂(たちばな・ふみお、1968 年広島市生まれ)による、美術館での初個展を開催する。
製本業を営む家に生まれた立花は、幼少期より身近に存在した紙や印刷物、文字などから着想を得て、「よせ集める」「つなぎ合わせる」という行為を通じ新たなかたちをつくりだした。2000年に入り活版による印刷物や大判カメラで撮影した写真、さらにブロンズによる彫刻など「文字」を基軸にした作品を制作し表現を探ってきた。同時に、葉がきからポスターまで多種多様な印刷物や本などのグラフィックデザインで高い評価を得るなど分野を横断して活動してきた。2007年から責任編集とデザインを自らが担当し発信する媒体として刊行する『球体』もその一つだ。
『球体 1』2007年
立花の表現の原点には、紙に触れること、文字を書くこと、がある。
それらは、実父が営んできた製本所の存在、子どもの頃から親しんだ「書」、そして彼の生まれ故郷である広島の歴史と記憶へとつながっていく。
近年、立花は、筆を持ち「書」のような作品へと回帰している。
本展は、「印象」(英語では「IMPRINT/IMPRESS」)というタイトルのもと印刷/印字と象形(かたどる/かたちづくる)という立花の創作の思想・思考に深く触れられる機会となるだろう。
美術館における初の個展として、本展に合わせて制作される新作とともに、彼の四半世紀にわたる創作を総体的に紹介する。
《クララ洋裁研究所》2000 年 撮影:久家靖秀
《へのへのもじへ》2014年
1995年、立花文穂はクリエイティブディレクターの小池一子が開設した佐賀町エキジビット・スペースで開催した個展「MADE IN U.S.A.」でデビューを飾った。以降、美術・グラフィックデザイン・編集・印刷・出版といったさまざまな領域を横断しながら活動してきた。本展は四半世紀にわたる立花の創作活動を振り返るとともに、立花の新たな展開を紹介する、初の美術館での個展となる。
本展図録を、立花自らが責任編集とデザインを担当し発信してきた媒体である『球体』最新号として刊行する。
立花が「美術、写真、建築、ことば、…さまざまな表現をぐちやつとまるめた紙塊」と称する『球体』は、2007 年に創刊され形態や仕様を変化させながら続いており、これまで 8 号を数える。
本展示の記録も含めた最新号では、美術館とはまた別の紙上ならではの時間と空間を体験できるものになるだろう。
球体9『機会 OPPORTUNITIES』2021年
昨年夏に開催された東京ビエンナーレ 2020/2021 のなかで発表した「機会 OPPORTUNITIES」を本展で再展示する。
立花が所有する活版印刷機を「楽機」として演奏(操作)しギターや伴盤プレーヤーとのコラボレーションで発表された同作品は、《球体 9『機会 OPPORTUNITIES』》としてレコードでリリースする予定だ。音が呼応する場に遭遇した人とともに、その場限りの時間が流れるインスタレーションがかたちづくられていくだろう。
【infomation】
展覧会名:立花文穂展 印象 IT’S ONLY A PAPER MOON
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:〒310-0063 茨城県水戸市五軒町 1-6-8
会期:2022年7月23日(土)~ 10 月10日(月・祝)
開館時間:10:00 ~ 18:00(入場は 17:30 まで)
休館日:月曜日 ※ただし 9月19日、10月10 日(月・祝)は開館、9 月20日(火)は休館
料金:一般 900円、 団体(20 名以上)700 円
高校生以下/70 歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
※学生証、年齢のわかる身分証明書が必要
※一年間有効フリーパス →「年間パス」2,000 円
学生とシニアための特別割引デー「First Friday」→
学生証をお持ちの方と 65 歳~ 69 歳の方は、毎月第一金曜日(8月5日、9月2日、10月7日)100 円