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COLUMN -

  • Oct. 16, 2022

  • 人物 ヒトモノ 
    <4 ☞ 関西で展示をします。>

  • 青柳 龍太 / 現代美術作家

  • 撮影:三嶋一路

 

 

 

 

 

 

青柳 龍太 / RYOTA AOYAGI

現代美術作家
多摩美術大学卒業  2014年にギャラリー小柳にて杉本博司、ソフィカルとの三人展「unsold」。2019年に、ギャラリー小柳にて個展「sign」。2020年に、日本橋高島屋、大阪高島屋における「民藝展」にて「これからの民藝」というテーマでインスタレーションを担当など。2018年から美術手帖にて、連載「我、発見せり。」をスタート。

ずっと昔に、骨董の大先輩に教えられた大切な事がある。

 

モノには形がある。
本当に良いモノは、必ずそれぞれの時代の空気感を体現している。と。
平安のモノは平安の。
江戸のモノは江戸の。
そしてきっと令和のモノは令和の。

 

この言葉は印象深く僕の心に強く残っている。

 

言われてみれば当たり前の事なのだが、意識せずにモノを見ていると意外とこの事実には気がつかない。それぞれの時代にそれぞれの今を生きながら表現をするのだから、今という時代に影響を受けないわけはないし、今を生きていない人間に優れた表現など出来るわけがない。

 

そして今とは、連続しながら、しかし絶え間なく変化し続けて、いつの間にか次の時代へと移行してゆく。

かつてそうであったように、今も、それぞれの世代で新しい感覚を持って、また新しい流行や、少し時が過ぎれば文化を形成していっている人々がいるのではないか。

偶然なのか、必然なのか、同時多発的に幾人かの若者によって。

 

まだ自分にとっても不確かな、しかし、なんらかの流れがあると感じる事を、2020年代とはどんな時代であったのかと、またいつか振り返る為にも、ここに、寄り道もしながら書き残しておきたいと思う。

撮影:三嶋一路

4 ☞ 関西で展示をします。

 

京都で暮らし始めて一年が過ぎました。

ちょっと長期旅行に出かけます、そんな軽い気持ちで長く住み慣れた東京を離れたのだが、今もまだ僕は旅行中なのだろうかと自問する。

京都での生活は驚くほどに何の違和感もなく自分に馴染んだ。気がつけば、カステラならあそこで、お豆腐はここでと、一つ一つの当たり前の日常を丁寧に淡々と大切に日々を過ごしている自分がそこにいた。観光や仕事で訪れていた頃には分からなかった、生活してみて初めて見えてくる京都。自転車で走り回り、幼い頃に祖母に連れられて来た京都と、今も変わらぬ景色を見つけては、懐かしいような、過ぎてしまった時間の残酷さを思い知らされるような、宙ぶらりんな哀しい気持ちになりながら。きっと今まで住んだ事があるどの場所よりも、この町は自分には居心地がいいのだろう。知っているけれども、知らない町。その微妙な距離感が自分には合っている。

ちょうどコロナ禍と時期が重なって、オランダ、フランスと決まりそうだった個展も立ち消えてしまった。特にやる事もない贅沢な、そして無為な時間。こんな時間を過ごしたのはいったいいつぶりなのだろうか。

ユーラシア大陸横断のバックパッカー旅行をしていた頃の自分ならきっとそろそろまた国境を越えようかと荷物をまとめ始める頃。

ある種の居心地の良さから逃れるように、次の国へと移動するタイミング。

でももう僕は、次に何処へ行けばいいのかを知らない。バックパッカーに戻るには荷物も増え過ぎ、歳も重ね過ぎた。

しかし人生とは分からないもので、消えゆく事があれば、また現れる事もあり。

今度はヨーロッパからではなく、中国から話が来た。中国の杭州に出来た新しい美術館 BY ART MATTERS 2024年秋に古道具坂田展が決まったのだが、その展覧会のキュレーションをやらないか?と僕に連絡があったのだ。僕にとっては、どんな事よりもやってみたい事ではあるのだが、沢山の学びを与えてくれた坂田さんに、こんな形で、恩返しが出来る機会が巡ってくるとは、全く予想もしていなかった。

撮影:三嶋一路

20歳の誕生日に僕がアーティストになるのだと決意した時には知る由もなかったが、間違いなく、いやきっとその最初の望み以上に、この仕事は、僕が人生の時間の中でやり遂げたい事の一つだと思う。振り返れば自分の人生は、人に助けられて今が在る。僕はきっと死ぬ時に、ソフィカルとのコラボレーションも、アートに憧れていた美大生の頃のままの自分と同じ気持ちで思い出すだろう。

僕に美を教えてくれた人、坂田和實。

僕にアートを教えてくれた人、ソフィカル。

この2人と、作品を、また展覧会という仕事を残せる事以上に、僕にとってリアルでエキサイティングな事はない。

目が覚めたら、全部夢でしたと消えてしまうのではないかと思いながら、じわじわとこの現実に対する、過去と未来に対する感謝を噛み締めている。

2年後には夢が目の前に広がる現実になっていると信じて。

撮影:三嶋一路

一年間、ここ京都で夢を見るようにただただ生活していた僕は、そろそろここ京都で活動を始めてみよう。関西には知り合いがほとんどいないので個展をしても誰も来ないだろうという心細さが、2005年東京での初個展を思い出させて、俄に新鮮な気持ちになった。今という現実の中には、過去の結果と、未来の要素が共にある。

今、自分が何を見ているのか、その景色を僕自身も見てみたくなった。

 

鏡に写っている自分の顔を見ながら、野良犬を最後に見たのはいつの事だっただろうと呟いて。

終の住処を決めるまで、僕にはまだ時間がある。

撮影:三嶋一路

「関西で展示をします。」

 

京都の自宅をオープンハウスにし、同時開催で大阪の古道具屋「古今ここん」とで、旧作「somebody says yes somebody says no」、新作は「diary series 」より、織り混ぜて展示をいたします。

 

関西での展示は初めてとなります。

是非、気楽に友達の家に遊びに来るような気持ちで、足をお運びいただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

京都

個人宅

1117日〜1127 15:0020:00

(26日は青柳が大阪古今ここんに滞在の為お休み)

個人宅なので事前予約制でのご案内となります。

ryotaaoyagi@gmail.com

までご連絡ください。

希望の日時をお伝えいただけますと助かります。

 

大阪

古今ここん

11/1711/20    

11/2511/27

(26日は青柳が滞在します。)

15:0020:00

予約は不要です。

大阪市北区天満3-4-5 タツタビル401

090-7115-8728

kokon.cocon@gmail.com

*古今ここんにてのみ、数点ですが、青柳が選んだ骨董販売もいたします。

 

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