私たちの都市生活には、多様な“ミエナイモノ“がひそんでいる。人々が都市に抱く、記憶や愛着、気配。

VRやAIなどテクノロジーの進化がもたらした、様々な技術。本展では、これらを“ミエナイモノ”と定義し、8組の若手アーティストによるメディアアートの展示や、都市生活を支える隠れた技術の紹介を通じて“ミエナイモノ“を可視化することで、未来の都市生活を想像するヒントを提供する。

メディアアートを鑑賞・体験することで、未来の東京についてみんなで考えるきっかけをつくることがこの展示シリーズを通じた目的だ。会期中には作品鑑賞ガイドツアーを毎日実施する他、週末には作品に関連したワークショップやイベントを多数開催し、来場者に主体的な想像や思考を促す。今年8月~11月に開催し好評を博した第1期「わたしのからだは心になる?」展では私たちにとって最も身近な「身体」をテーマにしたが、第2期では「都市」をテーマに、より「体験」していただける展示を展開する。

こどもから大人まで考えて楽しめる展覧会

●思考の遊び場プレイグラウンド

会場には、イベントスペースを兼ねた自由空間「プレイグラウンド」を設計。ちょっとした休憩や作品に関する意見交換をしたり、仕事や勉強を行うなど自由に使うことができる。多彩なイベントも開催予定。

●解釈を楽しむアートコミュニケーター

会場には、鑑賞者の解釈や理解を助けるアートコミュニケーターが常駐。東京藝術大学の卒業生・在学生を中心としたメンバーが来場者の作品鑑賞をサポートする。アートコミュニケーターによる、予約不要の鑑賞ツアーも毎日実施。「アートは難しい」という人にも、分かりやすく解説する。

●未来を言葉にボイスウォール

プレイグラウンドには、「ボイスウォール」と呼ばれる壁を設置。展示を体験したあとに、未来に対する鑑賞者一人ひとりのイメージを書いて貼ってもらうことで、「わたしの未来はどうなるのか?」を考える機会を創出する。

「都市にひそむミエナイモノ展 Invisibles in the Neo City」についてキュレーターコメント

まちなかのなんの変哲もない景色が、ある人にとっては愛する物語の「聖地」になる。多くの人が行き交う都市には、人の数だけ異なる景色が存在します。もちろん、都市にいるのは人だけではありません。虫、植物、AI、ロボットーーそれぞれの目から見つめる都市の姿は、どんな風にうつるのでしょう?

自分だけが感じる愛着、何かがいそうな気配、ふと発見した小さなできごと。本展では、都市のなかで目には見えないものが喚起される現象に着目しました。さらに、鋭い先見の明を持った8組のアーティストたちは、それらの“ミエナイモノ“たちと未来の都市への想像力を結びつける作品を展開。そこでは、AIや人工生命の目から見た景色や、100年後の人類が暮らす都市の姿が登場します。

あなたも、自分だけのミエナイモノを発見してみませんか?

(本展キュレーター・塚田有那)