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  • トランスレーションズ展 -「わかりあえなさ」をわかりあおう

  • 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2

  • 2020.10.16 - 2021.3.07

10月16日(日)より21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2にて、トランスレーションズ展 -「わかりあえなさ」をわかりあおうが開催される。

 

「NukaBot v3」Ferment Media Research
ぬか床の中に棲む無数の微生物たちの発酵具合を音声に翻訳するロボット。

翻訳とは通常、ある言語で書かれたり話されたりする言葉を、別の言語に変換することを指す。しかし、一つの言語で言葉を発するプロセスそれ自体も、一種の翻訳行為とみなすことができる。

例えば、我々は、ただ生きて、呼吸をしているだけの時でも、周りの世界から様々な色や形、香りや手触りといった膨大な量の情報が体に流れ込んでくる。それらが無数の神経細胞を走り、身体感覚が感情に転化され、「なんて気持ちの良い日なんだろう」とか、「ああ、悲しい朝だなぁ」などという言葉がひとりでに口から出てきたりする。この時、目の前に広がる真っ青な空の色や 、肌寒い冬の空気の冷たさといった、自分を取り巻く世界そのものの在り方を翻訳していることになる。

このような翻訳を行う時、誰しもが少なからず「うまく言い表せない」もどかしさを感じる。我々は常に、精一杯の語彙や身体表現を用いて、沸き起こる様々な感情をなんとか他者に伝えようとするが、そもそも自分でも完璧にその感情を翻訳しきれることはない。

 

「Visual Creole」和田夏実
想像を手の動きであらわして見せる視覚言語としての手話の世界を、鑑賞者とともに探る映像作品。

「OTON GLASS」島影圭佑
視覚障がい者のために、文字を代わりに読み上げるメガネ 。

コンピュータが精確にデジタルデータを複製したり転送したりするようには、人間は情報を伝えることはできない。我々のコミュニケーションには、根源的な「わかりあえなさ」が横たわっている。それでも、互いの「言葉にできなさ」をわかりあうことはできる。別の言い方をすれば、我々がどのように自分の感覚を翻訳しようとしているの か、という過程についてもっと知ることができれば、「わかりあえなさをわかりあう」ことができるのではないだろうか。

人は幸いにして、表現のしづらさをバネにし、新たな「言葉」をつくり出すことで、それまでできなかったような翻訳を行えるようになる。この展覧会では「翻訳」を、 わかりあえないはずの他者同士が意思疎通を図るためのプロセスと捉えて、普段から何気なく使っている言葉の不思議さや「誤解」や「誤訳」によってコミュニケーションからこぼれ落ちる意味の面白さを実感できるような「多種多様な翻訳の技法のワンダーランド」をつくろうと試みた。

「Translation Zone」永田康祐
言語と食文化の類似に着目し、それぞれにおける文化的混交や摩擦を、翻訳という観点から考察する映像作品。

現在、世界中に7,000を超える言語が存在していると言われている。ひとつの言語が「全ての言語の海」を漂っているのだと実感できれば、日常で使う言葉に対して新しい感覚が生まれるだろう。また、異なる文化の中で生み出された、他の言語への翻訳が困難な言葉について知ることで、我々の感性はより多様になる。

 

清水淳子 トランスレーションズ展プレイベントのグラフィック・レコーディング(2020 年1月15日) ※参考図版

「Ontenna(オンテナ)」本多達也
聴覚障がい者・ろう者と協働で開発された、音の特徴を振動と光によって身体に伝えるインタフェース。

そこから、文字以外の言語の世界へも飛び込んでみる。

身振り手振りを使い、瞬時にして風景をその場に描き出す手話は、耳が聞こえる人の表現をも豊かにしてくれる。言葉にしづらい感覚を、その場で絵にしてくれるグラフィック・レコーディングによって、わかりあえなさを越えた共感が生み出される。また、古代の人々がつくり上げた文化に、現代人が新たな解釈を与えて新しい息吹を与える行為も、時を越えた翻訳行為とみなせるだろう。

そして、人同士のコミュニケーションにとどまらず、微生物や植物、動物、そして無機物と対話しようとする営みの数々もまた「翻訳」の射程を押し広げる。

この展示を体験し終えた後、あなたの中ではどのような翻訳の可能性が芽吹くだろうか。この世界に存在するありとあらゆる事物と心を通わせるための、未だ見ぬ言語の想像をはじめよう。

 

 

「Human X Shark」長谷川 愛
「サメを性的に魅惑する香水」の制作を通して、分子レベルでの異種間コミュニケーションについて考えるリサーチプロジェクト。

[information]

展覧会名:トランスレーションズ展 -「わかりあえなさ」をわかりあおう

会期:2020年10月16日(金)– 2021年3月7日(日)

会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2

〒107-0052 東京都港区赤坂 9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン

開館時間:10:00–19:00(入場は18:30まで)

休館日:火曜日(11月3日、2月23日は開館)、年末年始(12月26日–1月3日)

入場料:一般 1,200 円、大学生 800 円、高校生 500 円、中学生以下無料

URL:http://www.2121designsight.jp/program/translations/

* 会期、開館時間、入場方法は、状況により変更となる可能性があります。詳細は上記ウェブサイトをご覧ください。

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