OUR ART IN
OUR TIME
11
2024
Your art story 2023-24 winter
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あなたの記憶に残っているアートの体験について教えてください。
以下の①〜③を一問一答で記載して頂くか、好きな形式で①〜③の内容を記載してください。
①どこで観たアートですか?
作品名・アーティスト名、形、素材、大きさなど。(展覧会・芸術祭も分かる範囲で)
②そのアートを観た時に浮かんだ言葉や感情、情景は?
(例:自分自身と重なった。故郷の風景が思い浮かんだ。気づいてなかったある感情が出てきた。)
③その時期のあなたについて
(例:仕事を辞めて1人旅でニューヨークへ行ったとき、ずっと行きたかった美術館で)
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数年前に訪れた香川県の豊島美術館で体験したクリスチャン・ボルタンスキーの「心臓音のアーカイブ」が今でも忘れられません。当時、仕事もプライベートもいろいろなことがあって少し辛い時期でしたが、ふらりと旅したくて訪れた豊島で出会ったアートにとても心が癒されたのを今でも良く覚えています。
①ピピロッティ・リスト《4階から穏やかさに向かって》
「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island -あなたの眼はわたしの島-」展 京都国立近代美術館
②ベッドに寝そべって、天井に投影される映像作品を鑑賞するインスタレーション作品。水中の花や草が揺れていて、細かな泡が水面に昇っていく。透き通った川に潜って、川底から水面を見上げているような、ダイビングしているような。音楽とふわふわのベッドが心地よく、そのまま水底に沈んでいくようだった。
③コロナ禍で、大学院生だった。修士論文が思うように進まず悩んでいた。
世間が接触感染に敏感になっている中、美術館という場所で、観者が順番にベッドに横たわる作品は挑戦的に思えて印象に残っている。
①どこで観たアートですか?
作品名・アーティスト名、形、素材、大きさなど。(展覧会・芸術祭も分かる範囲で)
六甲ミーツ・アート芸術散歩2017
「Koi.J」現代美術二等兵さんの作品です。
某女性歌手を模しているであろう作品名、池の中で鯉を模した彫刻がスタンドマイクを持ち、恋の歌を歌い上げながら鯉の餌を撒いている展示です。
②そのアートを観た時に浮かんだ言葉や感情
鯉が恋の歌を歌っている時のみに撒かれる鯉の餌に集まる鯉
憧れの存在への熱狂を自分で作り出す鯉の彫刻
面白さと恐ろしさが混在している感覚になりました。
③その時期のあなたについて
その頃はまだ美術館にもあまり通っておらず、写真を撮るために初めて行った現代アートのイベントでした。
①どこで観たアート?
ロンドンのTate Modernで観た、ヒルマ・アフ・クリント展
②そのアートを観た時に浮かんだ言葉や感情・情景
美術史上、抽象絵画は1910年頃のカンディンスキーかモンドリアンが創始者とされてきたが、アフ・クリントがすでに1906年頃に抽象とみなせる作品を描いている。2018年にグッゲンハイムで回顧展が開かれて、近年再評価が進んでいる。
アフ・クリントは神智学の影響で交霊術を行い、神との交信を絵画に起こした。10点の大作「The Ten Largest」シリーズの抽象絵画は、女性的な神秘性を帯びていて、未だに家父長性が根強い現代のアート業界の中にあっても異彩を放っている。日本での回顧展が待ち遠しい。
③その時期のあなたについて?
働いていたギャラリーを退職し、視察としての海外の美術館・ギャラリーの周遊中に訪れたTate Modernでは、ヒルマ・アフ・クリント展はまだ設営中だった。どうしても観たかったが、会期前でその滞在中に観ることは叶わなかった。
ただ、そのときの海外の美術館・ギャラリーの視察の体験がきっかけで、その9ヶ月後にロンドンの大学院で美術史を学ぶことになった。荷物をまとめてロンドンに引っ越し、やっと一息ついたところでTateに足を運んでみたら、半年以上前に見れなかったアフ・クリント展の最終日だった。モンドリアンとの対比で構成された素晴らしいキュレーションと、圧巻の作品たちだった。
それは、何ヶ月か後にロンドンで勉強してるとはつゆほども思っていない当時の自分を迎えに行ったような不思議な日で、忘れられない展示の一つになった。
①
アニッシュ・カプーア「奪われた自由への眼差し_監視社会の未来」
GYRE GALLERY(東京・表参道)
②
まるで肉塊のような赤黒く力強いオブジェの衝撃は凄まじく、とにかく目を奪われました。
③
ギャラリーを訪問した日、仕事上での人間関係で疑問に思うところがあり、悔しさや悲しさのようなネガティブな感情で溢れていました。でも会場に入った瞬間、作品の持つ圧倒的なパワーで思考や感情がクリアになりました。アートの持つ力の凄さをあらためて感じた体験でした。
①2022年のベネチアビエンナーレ、オランダ館で展示されていたメラニー・ボナホによる映像と空間のインスタレーション。「When the body say Yes」
②「美術界のオリンピック」とも言われるビエンナーレ。
30度以上の真夏日。灼熱のベネチアの路地裏を歩いてようやく辿り着いたのは Chiesetta della Misericrodiaという13世紀の教会。中に入るを古いクラシックな教会がカラフルなオブジェで飾られ、教会全体に大きなスクリーンが貼られ、クッションが敷き詰められていた。靴を脱いで、床を覆う色鮮やかで波打つ椅子に大の字になると、これまでこうしなければいけないと思っていた常識や思い込みから解き放たれたような気がした。人の身体の中に入ったかのようだった。作品写真 https://www.instagram.com/p/ClaxVWAIZmU/
③その頃の自分は体調不良で会社を休職し、思い切って円安の中ベネチア・ビエンナーレとミラノサローネを見にイタリアへ旅立ったた。これからどう生きて行こうかを考える中で、表現に携わる仕事をしていきたいと改めて思われた作品でした。
①
国立西洋美術館前のオーギュスト・ロダン「考える人」
②
かっこええ!
③
体調が落ち着きはじめて旅行への意欲が出てきた頃。
2000年に観光で訪れた東京で、国立西洋美術館前にオーギュスト・ロダン「考える人」に出会って感激した。
そこにあることを知らなかったので思わぬ遭遇で、まさしく出会いに感じて嬉しかった。
存在感のある佇まいに引き込まれ、「また東京に来たらよろしく!」と声をかけたがそれ以来行けていない・・・。
大阪から東京は何度も往復できない。
久しぶり再会したいなぁ。
①中原淳一(横浜そごう美術館)
②昭和の人気イラストレーターというざっくりな情報誌か知らなかったが、フランス人形作家であったり、服や着物のデザイン&パタンナーでもあることがわかり今の分業の仕事とは違いマルチクリエイターだったというのが驚きだった。ものが貴重な時代、古布をパッチワークにして服や着物を作る提案をしていたり、慰問用のグッズにも力を入れていたり、無い中での工夫、物を大事にしていた所に感銘を受けた。
③年始にゆっくり家で休もうかと思っていたが、母に誘われてなんとなしにいってみた展覧会でした。
①2022年の「絵金祭り」@高知県
幕末の土佐で活躍した「絵金」については、以前から注目しており、ずっと絵金祭りに参加してみたかったのだが、遠方で機会がないままコロナ禍になってしまった。そんな中で2022年にあべのハルカス美術館で「絵金展」が開催され、そこで絵金作品のまとまってみる機会があった。展覧会でも圧巻だったが、だからこそ「これは高知県で見たい」と思い、その年の7月に開催された絵金祭りを訪ねた。
②③ライターの仕事を兼ねた取材旅行だったが、取材であると同時に私自身にとってもかけがえのない体験となった。高知県自体初めて訪れた場所で、全くゆかりの無かった街を、ひとりの絵師の作品が見たいという衝動だけで訪ねた。絵金派の作品は地元の人々にとって誇りであり、守るべきものとして職員さんから商店街の人々が一丸となって祭りに参加しているムードに心躍った。
①2003森美術館のオープニング「ハピネス」で観た伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」
②なんだこれは!江戸期の作品なのになんでこんななにPOPなんだ!と衝撃を受けた。モネやピカソや面白い現代アートもたくさん展示されたはずだが今も記憶に残るのは若冲。強く心惹かれ、翌年、金刀比羅宮で125年ぶりに一般公開された奥書院の花丸図まで観に行った
③フリーランスの仕事をしていて、大きな仕事が終わり、比較的時間に余裕がある時期だった。この時期、本当に多くの美術展に足を運んだ。森美術館が気に入り、その後もよく行くようになり、現代アート好きになったのも全ての始まりは「ハピネス」だった気がする。
①毎年楽しみにしているデザイナート 2023
3歳の息子も一緒に親子で楽しめる upstairsginza さんの展示
Bob Foundation (ボブ・ファウンデーション)さんのとってもかわいいラッピングに大人も子供も楽しめる巨大糸くじ引き
②くじ引きがこんなにオシャレに見えるのが凄い!!
縁日みたいで楽しくて最高でした!!!
アートとかデザインとか、、、
ちょっと近寄りがたい、難しいと思ったりもするけれど
Bob Foundation (ボブ・ファウンデーション)さんの展示は
子供の頃、自由にお絵かきをしていた感覚を思い出して
懐しくて本当に楽しい気持ちになりました。
息子はくじ引きでお菓子をもらってご機嫌!!
一緒に楽しんでくれたのが嬉しい!!
楽しくてワクワクする気持ちっていいなぁ!!
家族でとってもステキな展示を見ることができて
本当に良い体験になりました!!
これからも息子には色々な体験をさせてあげたいです。
③デザイナート2023
子供と一緒に楽しめるアートを探していました!!
①Bar Zingaro 中野ブロードウェイ
カフェで村上隆さんの代表作品《お花》をみました。
②楽しくてカラフルでなんてかわいいんだろうと思いました!!
《お花》がラテアートされていたり、ミニハンバーガーのバンズになっていたり、アートを見ながら食べて飲んで楽しめる空間が楽しくて嬉しくて、大好きなお店でした。
残念ながら閉店してしまいましたが、喫茶店として再開しているのでまた行きたいです。
③まだ20代の頃、とにかく仕事が忙しくて、仕事が終わった後のカフェ巡りがご褒美でした。一杯のコーヒーの為に頑張る。今でも変わらないマイルーティンです。
①男木島のオルガン 何年かは忘れたのですが瀬戸内国際芸術祭の展示のひとつ
島の路地を歩くと、ところどころにパイプがあり、そのパイプに沿って歩いていくと島をどんどん上へと登っていくことになります。
辿り着いた先では、パイプを覗いて海の風景を眺めることができる作品です。
②パイプに沿って歩いていくときは路地からぴょこぴょこ出ているパイプがかわいくリズム感もあり、私の中でオルガンという名前がしっくりきました。
パイプを覗くと通っていた高校近くの風景が見えて、初めて行った島だったのに親近感が湧きました。
③高校を卒業して、大学に通い始めた頃だったような気がします。進学でちりぢりになった友だちと帰省のタイミングが重なり一緒に行きました。
お互いの大学での話をしながら島を周って、こういうふうに今まで住んでいた地域の行ったことない場所に行ってみるのも楽しいなと感じました。
一緒に行った友だちとオルガンを通して会話して楽しかったことを今でも覚えています。
①アニッシュ・カプーア「クラウド・ゲート」@シカゴ
②でかい、すごい。できてからそれなりの年数を経過してるにもかかわらず、ピカピカの鏡面できれい。公的資金を使わずに寄付でできたという話にもさらにびっくりしました。
③大学の卒業旅行で翌月から新社会人。特に意識していたわけではなかったが、そのスケールの大きさに触発されて、社会人でも縮こまらずにやってやろう、と思えたのかもしれないと、今振り返ると思いました(これはアートだけではなく、アメリカという国のスケールで感じたことかもしれませんが)
滋賀の佐川美術館。
何度も訪れていますが、2011年の誕生日に、思いきり好きな空間と作品に浸ろうと一人旅で出かけた時のことです。
元々、この美術館は建築も一部、楽吉左衛門氏が草案に携わり、世界屈指の建材が寄せられ、水面が季節と風景を映し出す美しい場所ですが、この日は特別でした。
気鋭の華道家であり、お家元である片桐功敦さんが数万本の桜の枝を壁一面、天井から瀑布のように活けた生花の巨大な作品が広がっていました。
圧巻の、花、花、花。
儚くも咲き誇り、濃くて甘い匂いがたちこめていて、
桜のいのちの繚乱に飲み込まれるようでした。
言葉を持たない、静かな花たちが垣間見せた狂気のような生命力と、圧倒的な美しさ。
息を呑むほどの、圧巻。
自然と生命の底知れない、轟くようなエネルギーに触れたようで、心が震えるようでした。
①アニッシユ・カプーア「世界の起源」@21世紀美術館(石川県金沢市)
②続々して、丸い大きな黒い穴に吸い込まれそうでした
すん、とした空間が怖くもあり優しくもありました
③役者時代に金沢公演がありました。ぼーっとひと息つきたくて、滞在中足繁く通いました。夜にタレルの部屋で寝転がったりなど、21世紀美術館で過ごす時間がとても好きでした。
なかでも、カプーアさんのお部屋は素晴らしすぎて、鳥肌が立ちました。思い出したらまた行きたくなってしまいました。
①デンマークのルイジアナ美術館でのジャコメッティの歩く男
②ジャコメッティを国立新美術館を見て間もなかったのもあり、場所や時間を超えた普遍性やつながりを感じた。
③思い切ってヨーロッパ諸国を転々と旅行していた最中、新しい発見を求めて歩き回っていた自身と重ね合わせたかもしれない。
①ニューヨークのMoMAで観た《Rose》Isa Genzken 一輪の大きな赤い薔薇の花が美術館の中庭に立っていた(4メートルくらいありそう)。 中庭と言っても、庭の周りは高層ビルだらけ。
②ビル群に囲まれて凛と立つ薔薇の花が孤独なような感じだけど意志の強さがあるように思えて、「これは私だ」と本気で思った。
③仕事を辞めて行ったNY旅で、モネの睡蓮を30分ほど眺めて浄化されたように階段を降りて見上げた先にこのアートがあった。
「これからどうするのか?」も決まってなかった時期で何があっても自分が持っているビジョンを叶えるために頑張ろうと思えた。
結果論になるけど、今自分がこの仕事(アート関係)をしている一番の強い軸になっている。 またいつかNYへ行ってあの作品に会いたい。(今もあるのかな・・・?)
①大学院生の時に行った直島・豊島・犬島(瀬戸内国際芸術祭2010)
②岡山が地元なので、見慣れた瀬戸内の海が現代アートの祭典によって違う輝きを放っていた。特にその時初めて訪れた豊島美術館の体験はとても感動した。島の空、風、音、空気、匂い…そうした感覚を全身で感じた素晴らしい体験だった。また直島で散策していると、軽トラックで移動している老夫婦と会って、トラックの荷台に乗せてもらったり、帰る予定だった船の便を逃してしまい、芸術祭のスタッフの人たちがのる最終便まで、施設で待たせてもらってスタッフたちと一緒に帰った。アート体験を通して、「不便」なことも含めて地元の魅力に気づかされた。
③「大学はとにかく地元から出たい」と思っていたが、こうして芸術祭で改めて地元の良さを感じた。結局就職先の転勤もあって今は東京暮らしだが、「何もない」と思っていた場所には「ここにしかないもの」があると気づかされた体験だった。