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12
2024
EXHIBITION
INFO
国立工芸館石川移転開館記念展Ⅱ|うちにこんなのあったら展 気になるデザイン×工芸コレクション
国立工芸館
2021.1.30 - 2021.4.15
富本憲吉《赤地金彩梅模様碗、皿》 1930 年 東京国立近代美術館蔵 撮影: Gottingham
ーもしも自分の家に、こんなものがあったら ――と想像してみること。それは私たちが日常でふと目にしたものを、使ってみたいと思うきっかけの一つになります。一方でこの想像は、 作り手が人々に向けて新しいものを生み出す時の原動力にもなります。自分自身の、あるいは 誰かの、より快適で美しく、彩りのある生活を夢みたデザイナーや工芸家たちによって、さまざまな器や家具が作られてきました。 本展では、クリストファー・ドレッサー (1834-1904)、富本憲吉(1886-1963)、 ルーシー・リー(1902-1995)を中心に、国立工芸館のコレクションから厳選したデザイン・ 工芸作品をご紹介します。誰もが家の中での過ごし方や社会との関わり方を見直しつつある今だからこそ、生活を豊かにするデザインと工芸の可能性を信じた彼らの思考をたどりながら、 これからの暮らしを考えてみませんか?
ルーシー・リー《コーヒー・セット》1960 年頃 東京国立近代美術館蔵 Estate of the artist/撮影:エス・アン ド・ティ フォト
ウィーン工業美術学校に学び、陶芸の面白さにとりつかれたルーシー・リー(1902-1995)。20世紀を代表する女性陶芸家の一人で、彼女が作る鉢や花器は、空に向かってまっすぐ開く花のような独特のプロポーションと繊細なマチエールで知られている。 本展では、ナチスの迫害を逃れイギリスに渡って間もない1940年代に制作されたガラスのボタンや、陶製のネックレスなども含め、当館が所蔵するルーシー・リーの作品12点をすべて展示する。
また、彼女の制作から導き出される「飾ること」や 「ティータイム」をキーワードに、ルネ・ラリックの《ブローチ》やバーナード・リーチの《ティーセット》などもあわせて展示される。
富本憲吉《色絵家形筆架》1937年 東京国立近代美術館蔵
撮影:アローアートワークス
富本憲吉《白磁珈琲器》1933年 東京国立近代美術館蔵
「色絵磁器」で第一回重要無形文化財保持者(人間国宝) に認定された富本憲吉(1886-1963)。東京美術学校で建築と室内装飾を学び、図案家として活動するかたわら、一から研究を重ねて作陶の道に進んだ。
「模様から模様を作るべからず」という信念による図案の創作や、工業化が進むなかで早くから量産陶器の製造を模索するなど、陶芸家としてだけでなく、デザイナーとしての先駆的な実践も改めて評価されている。
「文字のちから」、「〈量産〉をデザインする」などをキーワードに、芹沢銈介の型絵染や田中一光のポスター、 森正洋の《G型しょうゆさし》などもあわせて紹介する。
植物学に関する豊富な知識を持ち、デザイナーとして多方面に活動したイギリス生まれのクリストファー・ドレッサー(1834-1904)。1876年に来日し、正倉院御物など日本各地の古社寺や工芸品を視察した。 その経験から得た知識とデザイン理念は、西洋における日本美術への関心の高まりにも大きな影響を与えた。 とりわけ100年以上前にデザインされた金属器は、現代の私たちの眼にも新鮮に映るだろう。
本展では、「あこがれの日本」、「タイムレスなデザイン」などをキーワードに、エミール・ガレのガラスやピエール・シャロ―の家具など、ヨーロッパのデザイン運動の流れを象徴する作品とともに展示される。
クリストファー・ドレッサー《卵立て》1878年頃 東京国立近代美術館蔵 撮影:斎城卓
クリストファー・ドレッサー《ガーデン・チェア 》1867 年 東京国立近代美術館蔵 撮影:アローアートワークス
【information】
展覧会名:国立工芸館石川移転開館記念展Ⅱ|うちにこんなのあったら展 気になるデザイン×工芸コレクション
会期:2021年1月30日(土)-2021年4月15日(木)
会場:国立工芸館
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(3月29日、4月5日、4月12日は開館)
観覧料:一般500円、 大学生300円
URL :https://www.momat.go.jp/cg/exhibition/the-second-of-the-national-crafts-museums-grand-opening-exhibitions/
来館日時指定・定員制を導入しております。詳細は(https://www.momat.go.jp/cg/)でご確認ください。