OUR ART IN
OUR TIME

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  • 夢みる力――未来への飛翔 ロシア現代アートの世界

  • 市原湖畔美術館

  • 2019.8.04 - 2019.10.27

レオニート・チシコフ/祖先の訪問のための手編みの宇宙ロケット

市原湖畔美術館では、ロシア現代アーティスト6名によるグループ展を開催中だ。

2019 年は、ソ連の月探査機が月の裏側の撮影に初めて成功してから60 周年、人類の月面着陸から50 周年にあたる。

今なお宇宙は人類希望の空間であり続け、私たちは宇宙を追い求めている。
このような宇宙と人類の関係は、20 世紀美術全体の課題でもあり、とりわけロシアの美術、文学、哲学は、様々な政治情勢の変化のなかで、つねに「ここではないどこか」を目指し、宇宙への憧憬、ユートピアの創造といった未知の世界への冒険の夢を通じて、未来への思いを表現してきたといえるだろう。

本展では、インスタレーション、ドローイング、映像などのロシア現代アートの先端的な作品を通じて、「ロシア文化がいかに宇宙的なものを追求してきたか」という歴史と現在を示すと同時に、人類における宇宙の意味について問いかけ、その応答を試みている。


日常のなかの宇宙
不可能を可能にしようとする夢みる力によって、人間は空を飛び、宇宙にロケットを打ち上げ、極地への探検を続けてきた。その一方で、人間は日常の世界に身体をとどめながらも、空想の中で異世界を旅することができる。

レオニート・チシコフ「ラドミール」

レオニート・チシコフ「月の訪れ」

パスタという身近な素材を用いて宇宙ステーションを表現した作品「ラドミール」や、月と子供が友達になるという夢のような物語を描いた絵本『かぜをひいたおつきさま』の原画などを通じて、日常の中にある宇宙への繋がりを見出すことから本展は出発する。

子供も大人も楽しめる体験型展

水上の遊歩道を旅するように歩きながら極地の映像を鑑賞する作品「ナルシス」、湖畔に設置された迷路のようなオブジェをさまよいつつ、空や湖や鏡に映る自分自身の姿を眺める作品「空を見よ、自分を見よ」をはじめとする、大規模なインタラクティヴ作品が本展に登場する。
これらの作品は、未知の世界の体感、世界における自分の姿を見つめ直す場となるだけでなく、子どもたちの好奇心や冒険への憧れを掻き立てることになるだろう。

アレクサンドル・ポノマリョフ「ナルシス」

ウラジーミル・ナセトキン「空を見よ、自分を見よ」

宇宙を夢みて・極地を旅して

 

「人間が宇宙をいかに夢みてきたか」を追求する本展では、南極もまた大きな主題となっている。南極と宇宙は、ともに、どの国家にも属していない巨大な公共空間であり、人類の未来に大きな可能性と影響力を持ち、到達し難い空間として人々の夢をかきたてます。本展では、ポノマリョフをコミッショナーに、12 年間の構想期間を経て 2017 年 3 月に実現した世界初の南極ビエンナーレにも焦点を当て、公共空間における人類の協働、自然と人間の関わりについても考察している。

アリョーナ・イワノワ=ヨハンソン「古典元素の探究者たち」

幻想的な展示空間からは、宇宙や未知の世界を希求してきた人類の夢を想起し、広大な世界とのつながりを実感し、アートと人間の「夢みる力」を体感する場となることになるであろう。

 

information
展覧会名夢みる力――未来への飛翔 ロシア現代アートの世界
会場:市原湖畔美術館
会期: 2019.8.4(Sun)‒10.27(Sun)
開館時間 : 平日10:00 ~ 17:00 土曜・休前日9:30 ~ 19:00 日曜・休日9:30 ~ 18:00

最終入館は閉館時間 30 分前まで
休館日 : 月曜日(休日の場合、翌平日)
入場料:一般:800 円( 700 円)、65 歳以上の方・大高生:600 円( 500 円)
URLhttp://lsm-ichihara.jp/

 

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